(質問)
調停中です。現時点では、売却が困難な土地の評価額で相手側と意見の相違
があます。現時点で売却が困難な土地は、不動産鑑定士に鑑定を依頼した場合、評価額
が0円となる場合があるのでしょうか。下記の条件にて、意見をお聞かせください。
1・土地は、面積750㎡で、建ぺい率60%、容積率200%
2・築40年の住居(150㎡)が建っているが接しているが、道路は2m(青道)でいわゆる無道
路地です。
3・周辺土地の取引価格は、20~25万円/坪
4・地域の不動産会社に無料査定を行ってもらったところ、かなり開きがあります
が、一致しているのは、現時点では建替えが出来ない為、売却は難しいと言うことで
す。
5・相手側は、売却できないのだから土地評価額は、0円と主張しています。
6・私は売却できなくても土地評価額は、課税評価額程度は、あると主張しています。
(回答)
建築基準法上の道路に該当しない道路に2m接している土地に古い住宅が建っていると
いう条件を前提にお話をさせて頂きます。
まず、現実的に需要が乏しい地域においては取引が成立しない場合があります。
例えば、過疎が進んでいるような地域で、そもそも住宅需要が希薄である場合や、
住宅需要はあるけれど、周辺地域において住宅用地が余っていて、
本件土地のように再建築ができない土地に対して需要がほとんど期待されない場合等で
す。
一方、都市部においては一般に住宅需要が高く、土地価格が高いため、相当程度割安感
があれば、再建築が不可能であっても、現在の住宅を修繕しながら利用したいという需
要もないことはありません。
また、需要者を住宅需要者(エンドユーザー)に限定してしまうことも少し危険です。
実際に当該地に赴いていないので、確かなことは言えませんが、土地面積が750㎡程度
あるため、隣接地の一部を買収して道路を築造し、区画割して分譲住宅の敷地とするこ
とが市場において合理的であるならば、建売業者等の市場参入の可能性もゼロではあり
ません。さらに低次な土地利用方法、例えば資材置場や駐車場、畑として利用できるの
であれば、それなりの価格付けが可能です。
不動産鑑定士は、その不動産の存する地域の地域的特性、対象地の個別性、需要の有無
等を詳細に調査の上、最適な土地利用方法を判定し、これに基づいて評価をします。し
たがって、机上では何とも回答を申し上げることは難しいですが、相場が坪20万円~
25万円程度の地域であるならば、一定の住宅需要ないしは土地需要はあると判断される
ため、土地価格がゼロというのは少し違うのかなと思います。
ただ、土地価格が課税評価額という意見もまた根拠が希薄です。なぜなら、課税評価額
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