2015年12月16日水曜日

不動産業者と不動産鑑定士の査定のちがいは?

http://www.professional-eye.com

(質問)

離婚に伴い、二世帯不動産の売却協議を始めますが、不動産査定はかなりのばらつきが

あり、低額の査定価格を基に義父が登記持分を購入しようとしています。不動産鑑定評

価の価格なら信頼出来ると考えています。不動産査定価格と不動産鑑定評価書の評価の

価格差はどのようなものでしょうか、また、不動産鑑定士が行う不動産鑑定評価書と不

動産鑑定簡易報告書(鑑定士実施)の評価の価格差は生じるものなのでしょう。


(回答)

不動産業者さんが行なっている不動産査定は、査定といっても媒介契約を取る前提の無

料査定であるため、いわゆる紐付きの不動産査定になります。基本的に無料ですし、査

定額が大幅に間違っていたからといって罰則もありません。

多くの場合、売主の意向に添った査定額となる傾向があります。

分かりやすくご説明すると、例えば離婚のための財産分与の不動産査定の場合、

一般に夫側は低廉な価格を求め、妻側は高い価格を求めることが多いため、同じ不動産

に関して別々の不動産業者さんが提示した額が10,000千円も違うような査定書を見たこと

があります。

不動産鑑定士の場合、一方のみの思惑に加担するような評価はできません。

衡平の観点から評価するのが基本的なスタンスです。

その意味で、不動産鑑定士による評価は不動産簡易評価であろうが、不動産鑑定であろ

うが市場における適正な価格を求めることに変わりはありません。ただし、簡易である

以上、評価において適用する方法が異なり、書面の分量等も少なくなるのは致し方あり

ません。

不動産鑑定をした場合と簡易鑑定をした場合の価格差につきましては、私は的確なお答

えを持ちません。

なぜなら、同じ不動産について、鑑定評価と簡易鑑定を同時に行なった経験が無いから

です。

なお、簡易鑑定の場合、不動産の鑑定評価に関する法律に規定する不動産鑑定評価書で

は無い旨、不動産鑑定評価をした場合の鑑定評価額と価格が異なる場合がある旨を記載

します。

蛇足になりますが、二世帯不動産については、評価は少し難しいと思います。

通常の住宅と異なり、二世帯住宅の場合は市場性の面での判断が難しいからです。

したがって不動産会社さんの査定についてバラつきが見られたのは、このためかも知れ

ません。

0 件のコメント:

コメントを投稿