はじめまして、ぼくは瀬戸内海を臨む小さな田舎町で生まれました。 今は横浜で不動産鑑定士という仕事をしています。 仕事柄、いろいろな地方に出かけることが多いのですが、時間が許せば鄙びた温泉街に出向き温泉に浸かるのを唯一の趣味としています。 文庫本を浴室に持ち込み、湯に浸かりながら本を読みます。本が濡れたって平気。汗がでれば文庫本で拭い、陽が差せば頭に文庫本を乗せる。ちょっとした変わり者ですね。 このブログでは、私が日々の評価や取引、無料相談業務で感じたことなど、不動産に関する情報を分かりやすくご案内しています。
2017年11月6日月曜日
都市計画道路が敷地内にある場合の減価
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(質問)
道路拡張の場合のマンション評価への影響です。
市の都市計画でマンション敷地の駐車場部分が市に取られます。
この場合マンションの評価にどう影響あるでしょうか。拡張道路は歩道のみを拡張で4m程度が取られます。駐車場は50台中10台程がなくなる予定です。
また、敷地面積が減る為、容積率が大きくオーバーします。道路は片側1車線でやや幅が広くなり、歩道が片側2.5mずつ取って広くなります。このような場合にマンションの評価にどの様な影響があると考えられるでしょうか。
(回答)
マンションの場合、土地を最大限に有効利用するため、指定された容積率の限度一杯まで容積率を使用するのが一般です。
建築確認では、都市計画道路部分を含んだ面積をもって敷地面積とすることから、今回のように
都市計画道路の事業地へと移行した場合には、敷地面積が小さくなることにより、容積率オーバーとなるマンションは実に多いです。
当該マンションは違反建築物とはなりませんが、いわゆる既存不適格物件となります。
つまり、今と同じ建物は基本的には建てられないということです。
小さくなった敷地面積に対する容積率を満たすボリュームしか建ちませんから、建て替えにより各専有面積は小さくならざるを得ません。
但し、現在の建築基準法では共同住宅の廊下や階段等に係る部分を容積率に含めなくても良い(平成9年建築基準法改正)ことから、このマンションが、それ以前に建築確認を提出されたものであれば、当該制度により将来的に建て替えをする場合には同規模のマンションを建設することは可能かもしれません。
この点は重要ですので調査する必要があります。
いつできるか分からない都市計画道路部分について、建築確認の段階で敷地面積に含めないというのは、経済的な観点から難しいとは思いますが、私は、当該道路部分は含めないで建築確認をする方が後々の問題に至らないのではないかと考えます。
さて、評価ですが、都市計画道路部分は正常価格で売買されるので、ほぼ問題はないとは思います。道路の拡幅があったからといって直ちに価値が上昇するとは思いません。道路が広くなり、バイパス的機能を持つならば車の通行量は増加し、環境面での減価が発生するかもしれません。
結論から申し上げると、現状においてマンションの価値は大きく上昇することも無ければ大きく下落することも無いと思います。
但し、マンションの建て替えの時期に達した時に、現在と同じ規模のマンションが建たないことが決定的になった場合には、減価が一気に顕在化するものと予測します。
2017年10月16日月曜日
地主から借地を買い取りたいとの申し出があったが、どうするか。
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地主から借地を買い取りたいとの申し出があったが、どうすべきか?
借地のトラブルは、不動産の相談でとても多い相談事です。
私の考えでは、できれば借地関係は解消する方向性でお話をしています。
借地を継続するならば、地代の支払いは小さいですが、更新料、増改築承諾料、譲渡の
場合には名義書替料など、何かあるごとに一時金という名目で地主にお金を払うことを
余儀なくされます。また、相続で借地権者、地主のそれぞれの代が変われば、ますます
複雑化してくることがあります。
値段のことはともかく、地主から土地を買ってくれということであれば、前向きに考え
ても良いのではないでしょうか?
とは言うものの、売買は双方の自由な意思で決まりますから、お断りすることもできま
す。
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2017年10月12日木曜日
相続税評価で基準になるのは
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不動産鑑定士さんに評価していただいた価格と市役所の課税台帳に掲載されている土地家屋の価格はどちらが高く評価されますか。相続でどちらを基準に考えたほうがよいか困っています。
(回答)
不動産の価格は、思いつくまま列挙しても、
①時価 ②公示価格 ③相続税評価額 ④固定資産税評価額 などがあります。
その目的に応じて一つの不動産に対しいろいろな価格があって、分かりづらいものです。
相続では、③相続税評価額が問題となります。土地につきましては、相続税路線価の価格が基礎となり、建物につきましては、市役所の課税台帳(固定資産税台帳)に記載されている建物価格が基礎となって相続税額が算定されます。
考え方としましては、被相続人の死亡という不幸を起因として相続は発生するわけですから、時価で課税すると負担が重くなるという観点から、その課税の基礎となる額は時価と比べて低く設定されているのが一般です。
不動産鑑定士が評価するのは基本的には時価ですから、すごくラフな言い方をお許し頂けるのであれば、不動産鑑定士の評価の方が高く評価される傾向にあると思います。
但し、不動産には個性があります。個性の強い不動産につきましては、可能性として相続税路線価を基礎にするよりも不動産鑑定士による鑑定評価の方が安くなる場合もあります。
2016年6月3日金曜日
2016年4月18日月曜日
不動産仲介の問題点(両手取引)
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日本に於いて、不動産業界がとても遅れた業界の一つと言われる所以は、双方
代理(厳密には代理ではありませんが)が許されていることに起因していま
す。近年、問題となっているのは、いわゆる大手仲介業者の「囲い込み」であ
り、両手の手数料欲しさに、他の不動産業者から物件の問い合わせを受けても
既にお話が入っています」という嘘の回答になる。
割りを食うのは売主・買主の両方で、売主にすれば、他の不動産業者が抱える
買主に対して売れたはずの機会をロスし、いつまでも売れず、結局、値下げ
に応じなければならない場合も現実にあります。
買主も本来ならば買えていたであろう優良物件を手に入れることができないと
いう機会ロスが生じています。
誰が得をするかと言えば、売主の専任媒介契約をしている仲介業者だけです。
アメリカにおいては、この両手取引は違法です。
日本では古い慣習が未だに続けられています。
なぜなら、仲介業者にとって、両手取引はとても自分の都合に良いシステムだ
からです。
横浜不動産鑑定ホームページ
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2015年12月28日月曜日
急傾斜地崩壊危険区域指定はデメリットか?
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(質問)
隣人宅の崖崩れが発生し、その対策工事を県の補助金対象の事業として申請するらしい
と聞きました。その関係か、急傾斜地崩壊危険地域指定への書面同意を求められおり、
この内容について相談致します。(危険地域内地権者として指定への同意を求められて
いる理由は、問題の崖に接する共有私道の地権者であることのようですが、自身が居住
する家屋は、当該私道を挟んで、問題の崖と反対側にあります)
(1) 崖の崩壊防止事業/工事の内容の開示を自治体から受けることができるか
(2) (対策事業/工事の直接の受益者ではないが)事業費/工事費の負担金の納付を求
められることはあるか
(3) 危険地域指定されることで、居住用の家屋の立つ土地(共有私道と異なり危険
地域指定の対象外?)の価値は、一般論として下落すると考えてよいか
(4) 対策事業/工事の直接の受益者ではないことを理由に同意を拒むことはできる
のか
以上、回答のほどよろしくお願い致します。
(回答)
急傾斜地崩壊危険区域は、崖などの崩壊が危惧される地域において、県の事業予算のな
かで擁壁等を施工し、未然に災害を防ぎ、住民の安全性を確保するということが趣旨と
なります。
この県が施工する擁壁については、民間の施工する擁壁と比較してかなり堅牢ですか
ら、高い安全性が確保されることは間違いありません。
ただ、指定にあたりましては地権者等の同意が不可欠となります。
そもそも、急傾斜地崩壊危険区域に指定されるような地域では、一般の方からみても、
ちょっとな、と住宅の購入を躊躇うような状況にあると思います。
急傾斜地崩壊危険区域に指定されるから、価値が下がるというよりも、そのような状況
を放置しておくことこそ、価値を下落させる要因になるのではないでしょうか。これは
直接的に崖等に接する人だけの問題ではないように思えます。
前置きが長くなりました。ご質問に対しての回答ですが、
(1) 基本的に事前に開示されます。図面等の閲覧も可能ですし、説明会があります。
ただ、もしかしたら公共団体により方法等が異なることもありますので、県に直
接お問合せ下さい。
(2) 基本的には、無いと思います。
(3) 指定されるから価値が下がるのでは無く、危険と思われる状況を放置するから
地価が下落すると思っています(個人的な見解)。
2015年12月25日金曜日
隣地雨水管が土地に通ることによる減価?
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(質問)
当方北側隣地土地所有者が自宅建築に伴い、当方土地に雨水排水管設置を要望しており
ます。仮に当方が設置工事を認め排水管が設置された後、当方土地を売却しようとした
場合、不動産価格は排水管がない場合に比べどれほど評価減となりますでしょうか。
【前提条件】排水管設置は土地西側の地上に沿って設置、所有権は相手側に有り、設置
についての覚え書きを交わします。当方土地は300坪です。周辺住宅地全体は坂になっ
ており、北側隣地も当方も勾配があります。
(回答)
汚水の排水がとれないので隣地の地下に配水管を通すということはよくありますが、今
回は雨水の排水施設の設置なのですね。U字溝のようなものでしょうか。
ちょっとイメージがわかないのですが、隣接地の雨水排水管が設置されることによる土
地の減価という質問ですね。
注意したいのは、配水管の位置です。
ご質問の文章では西側の地上に沿ってとありますから、 問題はないかと思いますが、
配水管が通ることによって、例えば新たに建物を建築する際に阻害となるような部分で
すと、土地利用効率が劣ることとなるため、減価率は大きくなるでしょう。
邪魔にならないような位置に配水管が設置されるという条件で、端的に言えば、
当該雨水排水管が設置される面積を本件土地面積300坪で除したものが最大の減価とな
るでしょう。
仮に本件土地に設置される排水管の長さが20mで幅が0.3mならば、
6平方メートル÷991.73平方メートル(≒300坪)≒0.6%
となります。繰り返しますが、これが最大の減価率です。
つまり排水管が通る本件土地部分の価値をゼロと判断したことになります。
配水管が通る部分を相手方に買ってもらうことはできないのでしょうか?
また、排水管を設置する以上、当該部分の土地利用はできないのですから、
その部分に対応する賃料をもらうことはできないのでしょうか?
電力会社の電柱などが敷地に有る場合には、電力会社は賃料を土地所有者に払っていま
す。
2015年12月21日月曜日
事故物件とはどんなものなの?
(質問)
叔父が亡くなった家を相続しました。
病死でしたが叔父は一人暮らしだったため死後数日後に発見されており、相続時に死亡
日時が推定日時と謄本に記載されました。誰も住まないので売却したいと思い先日不動
産会社に相談した所、事故物件になるので通常より値下げしないと売れないと言われま
した。病死の場合も事 故物件になるのでしょうか?それと古い家なのでそれならば潰
してしまって土地だけを売る場合でも事故物件になるのでしょうか?
(回答)
さて「事故物件」とは何をもって「事故」と判断されるのでしょうか?
これ、意外と難しいのですが、一般には「社会通念に照らして、取引に重要な(心理
的)影響を及ぼすかどうか」が事故とするか否かの判断基準になるのではないでしょう
か。
なんか煙に巻いたようなことを書いてすみません。
ぼくの認識では、事故とは、建物内での自殺、殺人事件などが該当すると思います。
人が病死することはごく自然なことで事故とは言えません。
但し、病死であっても伝染病でお亡くなりになった場合などには、やはり心理的に影響
がある場合に該当するかも知れませんね。
いわゆる孤独死で発見が遅れた場合どうするのか?という疑問が生じますが、季節にも
よると思いますが、死後数日であれば、ご遺体が著しく損壊してしまうようなこともあ
りませんから、忌み嫌われるような事象には至っていないと思われます。
この取引にあたり重要な(心理的)影響を及ぼすかどうかというのは、一般的な人の常
識で考えるべきことなのでしょうが、なかには敏感な方もいて「なんで契約のときに言
わなかったのか!」と業者にクレームをつける人がいるため、宅建業者としては「心理
的瑕疵」として事前にお知らせなくてはいけないという判断があったのかも知れ
ませんね。ただ、宅建業者が仲介でなく、自ら当該土地・建物を購入する場合(例えば
建物を取り壊して更地化し、再販する場合など)では、安く買うための方便かもしれま
せんのでご注意を。
いずれにせよ、一般的に考えて「事故物件」か否かを判断するべきで、不動産業界に
「事故物件」についての特別なルールがあるわけではありません。常識に照らし個別に
判断すべきことと思います。
ご質問の情報を基礎に考えれば、事故物件に該当しないとぼくは考えます。
また、ご質問の建物の取り壊しを前提にするならば、事故物件には全く該当しないので
2015年12月20日日曜日
狭小住宅の将来的な資産価値
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(質問)
神奈川県で土地16坪の新築3階建て狭小住宅を購入しました。駅から徒歩3分、3500
万円程でした。階段の昇り降りが大変な為、老後のことを考えると、いつかは住み替え
が必要かと思い始めています。ですが狭小なので、築年数が経ちすぎると、土地の価値
だけで評価され、価値が相当下がりそうで今からとても不安です。 何年程で売却を検
討するのが良いでしょうか?
(回答)
現時点の住宅の売れ筋は、駅から近い立地で総額に割安感のあるミニ分譲の建売住宅で
あり、近・安・小が住宅需要を牽引しているのが実態です。
あなたも、割安感のある駅に近い狭小分譲住宅をお買いになったのだと思います。
現在の景気動向や所得水準を考えると、一般的な消費者の志向であると思います。
このような狭小住宅を購入するメリットは、土地の利用効率がとても優れているという
点にありますし、また駅に近いことから生活上の利便性がとても良いことでしょう。少
子化傾向から居住スペースとして3LDKが確保されるならば、過剰に広い住宅スペー
スは経済的ではありませんね。
一方で、あなたがご不安に思っていらっしゃるように、一般的に間取りの自由性が無い
ので、ライフスタイルの変化への対応力は乏しいでしょう。
厳しいようですが、今は、狭小住宅も需要がありますが、将来的なことを考えると狭小
地は資産価値としては、下落する可能性が高いと思います。なぜなら、将来的には少
子・高齢化により、労働生産人口(住宅需要年齢層)が減少することが明らかだからで
す。ある統計によりますと、2030年以降で人口が伸び続ける都道府県は東京都のみで、
神奈川県においては2020年後半には人口が減少するという予測があります。それでも
他の道府県に比較すれば良い方ですが・・・。そうなれば、土地に対する選別眼は一層
厳しくなるのは容易に予測されることです。
いつ売れば良いのかというご質問にお答えするのは大変難しいのですが、あえてご回答
を申し上げるならば、経済状況が好転して誰でも不動産価格が上昇していると実感する
ような時期(そのような時期が来るかどうかはわかりませんが・・・・)で、かつ建物
価値が十分に認められる築後10年以内ではないでしょうか。
しかし、更地化しなければならないほど建物が老朽化してしまえば、土地が狭小である
ため住宅需要者が感じる魅力は半減することでしょう。
けれど、売らないと決心する手もあります。
現在の住宅はおそらく建売住宅でしょう。建築する側としては一般的な間取りを考え建
築します(効率性を優先しているともいえます)。それは需要者のライフスタイルや考
え方を必ずしも反映した家づくりではありません。今の住宅は「消費財」と割り切り、
住み続け、老後になる前に、建替えるという方法、つまり、自分のライフスタイルに合
った家造りを再度チャレンジしてみては如何でしょうか。狭小地のため、一般の工務店
では無理でも建築家といわれる方と住み易い家を再建築できるのではないだろうかと思
うのです。
そもそも、住宅は買うものではなく、造る物なのだから。
狭小住宅が得意な建築家はたくさんいます。創意や工夫によってあなたの価値感やライ
フスタイルにあった住宅づくりが可能だと思います。
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